「さわって!ぐでたま」シリーズはなぜ人気が続いているのか。~成功の背景に「Yahoo! MOBILE INSIGHT」によるアプリ解析~

2017年4月10日

導入事例

「さわって!ぐでたま」シリーズはなぜ人気が続いているのか。~成功の背景に「Yahoo! MOBILE INSIGHT」によるアプリ解析~

スマホアプリ「さわって!ぐでたま」と続編の「さわって!ぐでたま ~しょうゆましまし~」は、およそ2年に渡ってロングランを続ける大人気ゲームアプリシリーズだ。長期に渡ってダウンロード数を重ねるだけでなく、長く遊び続けるユーザーが多いというのがその大きな特徴だ。ではなぜロングランになったのか。その背景には、データを最大限に活用したビジネスモデルの構築と運用ノウハウ、そして「アプリ解析ツール」の存在があった。同シリーズの開発と運用を行うグッドラックスリー社を訪れ、そのポイントを聞いた。

大人気ゲームアプリ「さわって!ぐでたま」シリーズ

「ぐでたま」ならではのゲームアプリを

サンリオの人気キャラクター、「ぐでたま」。TBSの情報番組「あさチャン!」内でアニメーションが放送されるなど、高い人気を誇るキャラクターをゲーム化したのは、スマホアプリをはじめ、ドラマ制作など広くエンターテインメント事業の開発・運用に携わる福岡のグッドラックスリー社だ。

プロデューサーとして、さらにはCMOでありマーケティングを統括する立場として 、「さわって!ぐでたま」アプリに携わってきた前山広行氏は、一般的なキャラクターゲームとは異なる考え方で開発が進められた、と当時を振り返る。 「人気キャラクターを使ったゲームアプリというと、もともとあるゲームシステム上に≪キャラクター≫ を乗せるケースが一般的です。定番の遊びと集客力のあるキャラクターを組み合わせ、相乗効果を狙おうという考え方ですね。ただ、自前でキャラクター開発なども行っている我々としては、やはり『ぐでたま』というキャラに合ったゲームをつくるべきだろうと考え、一から開発を行うことにしたんです」

自分達が「ぐでたま」のファンになるところからスタートさせた開発。それゆえ、カジュアルゲーム開発としては異例なほどに時間をかけたという。 「『さわって!ぐでたま』のリリースまでに、ゲームシステムを2度作り直しています。これは開発メンバーたちが納得がいくまで取り組もうと考えた結果です。確かにさまざまな苦労はありましたが、そのぶんいいゲームになったという自負がありました。とくに力を入れたのがぐでたまを愛でる演出部分です。つつくとプニプニとする感じが出せたのはつくった自分達でもくせになるほどでした」

開発側のひたむきな努力によるゲーム性の向上。それこそ「さわって!ぐでたま 」ロングヒットの理由の一つだ。

株式会社グッドラックスリーCMO/プロデューサー 前山 広行 氏
株式会社グッドラックスリー
CMO/プロデューサー 前山 広行 氏
「さわって!ぐでたま」(2015年リリース)「さわって!ぐでたま ~しょうゆましまし~」(2016年リリース)
(C)'13,‘16 SANRIO(H)
「さわって!ぐでたま」(2015年リリース)「さわって!ぐでたま ~しょうゆましまし~」(2016年リリース)は、株式会社グッドラックスリーが株式会社サンリオよりライセンス許諾を受けて配信する、人気キャラクター「ぐでたま」が登場するゲームアプリ。料理を作ってさまざまな「ぐでたま」を集めて楽しむスマホ向けカジュアルゲーム(上図は、第二弾「さわって! ぐでたま~しょうゆましまし~」のもの)

▼Google Play

さわって!ぐでたま

さわって!ぐでたま ~しょうゆましまし~

▼App Store

さわって!ぐでたま

さわって!ぐでたま ~しょうゆましまし~

リリース後の方針転換がもたらした成功

第一弾の「さわって!ぐでたま」がリリースされると、驚きの事態が起きる。iOS/Androidストアの無料アプリ・ダウンロードランキングの上位にランクインし、一時は2位まで順位が上がったのだ。ただし、ゲームとしての面白さが受け入れられた喜びの反面、別の悩みが生まれた。

当初から収益の柱と考えていた課金アイテムへの反応が薄く、ビジネスモデルの“仕立て直し”を迫られたのだ。そこで導入したのが「動画広告」の視聴。 「『さわって!ぐでたま』のユーザーである多くの女性は、ハードなゲームユーザーと違って、ゲーム中の動画視聴に抵抗を持たないのではないかと考えたんです」

前山氏の予想は見事に当たる。動画を見ることでゲームをよりスムーズに先に進められるという自然な演出がうまく機能したこともあって、動画広告が多くのユーザーに受け入れられたのだ。 「さわって!ぐでたま」はアイテム課金収益と広告収益の2つの柱を両立させたゲームとして、大きな成功を収めることになる。

こうしたビジネスモデルの転換を成し遂げることができたのはなぜか。前山氏はそこに「データの力」があったと話す。同社ではスマホアプリの運用にあたって、ユーザーの属性やゲーム内の行動を測定するツールを使い、取得したデータをさまざまな角度から分析し、活用していたのだ。 「こうしてうまくリスタートできたわけですが、動画視聴による広告収入を柱にするビジネスモデルは、ユーザーに長時間遊んでもらって初めて成り立つものです。それからは、いかに飽きずに長く楽しんでもらえるかという運用面の工夫が重要になったんです」

では、具体的に、どんなデータをどう活用しているのだろうか。

Yahoo! MOBILE INSIGHTでユーザーの先手を打つ

Yahoo! MOBILE INSIGHT管理画面
Yahoo! MOBILE INSIGHTは、広告の効果測定からユーザー分析、さらには効果的なプロモーション施策の策定に必要なセグメント抽出まで、一つのUIで確認できる、スマホアプリ用の解析ツール。海外製のツールが多い中、国産で分かりやすい点や、無料で利用できるプランが用意されている点もポイント

2016年6月にリリースされた「さわって!ぐでたま~しょうゆましまし~(以下「ぐでたまS」)」には、データ解析用のツールとしてヤフーがリリースする「Yahoo! MOBILE INSIGHT」が使われている。Yahoo! MOBILE INSIGHTは、LTV(顧客生涯価値)(※1)高い優良顧客の獲得と、そのためのアプリ最適化のために、アプリ運用にまつわる多様なデータの取得や解析を行うための解析ツールだ。

前山氏によると「さわって!ぐでたまS」では日々、約200種類のKPIデータを追っているというが、それらは大きく二つのタイプに分類することができる。一つは、「狙ったユーザーをゲームに呼び寄せることができているか」という広告効果を測定するためのデータ 。これはYahoo! MOBILE INSIGHTの「トラッキング」機能で見ることのできる測定項目だ。 「先ほどお話ししたように、『ぐでたまS』では、できるだけ長い期間遊んでくれるユーザーを集めたいと考えています。そのために、どんな媒体に広告を出すといいのか、あるいは広告費をどう配分すると効率的かといった点に注目しています」

Yahoo! MOBILE INSIGHTトラッキング機能
Yahoo! MOBILE INSIGHTの「トラッキング」では、掲出した広告の、媒体ごとのインストール数やクリック数、課金額などの指標を把握できる。「さわって!ぐでたま」シリーズでは、例えば長い期間遊んでくれるユーザーがどんな媒体から訪れるのかといった点を中心にデータを見て、広告費の配分を最適化するのに活用している
※図はイメージです

もう一つのタイプがYahoo! MOBILE INSIGHTの「アナリティクス」機能で見ることのできる、ユーザー属性や行動にまつわるデータだ。ここでは性別や年齢といった基本的な属性にはじまり、アプリの起動回数やプレイ時間、課金額など、ユーザーがどんなふうにゲームを遊んでいるのかにまつわるデータを取得できる 。

「特に注目しているのはユーザーがどれだけの期間遊んでくれているのかを示す『リテンション』や、ゲームの『起動回数』、『プレイ時間』といった項目です。ちなみにリテンションで言うと、第一作、第二作ともに長期にわたって30日間リテンションが平均15%前後ある状態を維持しています(インストールしてから30日後も遊び続けているユーザーが15%前後いるということ)。これは無料ゲームアプリの中では、かなり良い方の数字だと言えるかと思います」

Yahoo! MOBILE INSIGHTアナリティクス機能
Yahoo! MOBILE INSIGHTの「アナリティクス」では、アプリの機能追加やユーザー獲得施策などのアプリ改善に生かせる属性や行動を把握し分析できる。「さわって!ぐでたま」シリーズでは、リテンションやDAUといった指標を中心に、ユーザーの行動を知るための分析に使われた ※図はイメージです

では、「ゲームを長期間遊んでもらう」という視点で考えた時に、データのどんな点に注目しているのだろう。

「例えば、ゲームアプリにおいてはその日遊んでいるユーザーの数(DAU:Daily Active User)を見ることが基本となるのですが、それを見ているだけでは大事なポイントを見逃すことがあります。仮にDAUが高い数値をキープしていても、ユーザーのプレイ時間が減りはじめていたら、ゲームに飽きはじめている兆しがある、と捉えることができます。早急に手を打たない限り、ユーザーを手放すことになってしまいます」

前山氏はスマホゲームアプリの運用は、アミューズメントパークのそれに似ていると話す。 「来ていただいたお客様に長く遊んでもらうには、たとえばUSJのように、常にお客様の期待を先回りして新しい施設をつくり、話題を提供し続けないといけません。そうすることではじめて、新しいお客様も獲得できるんです。ゲームアプリの場合も、頻繁に新しいアイテムやイベントを導入し、ユーザーを飽きさせない工夫をしなければいけません。それを判断するためのデータは日々、しっかりと見ていく必要があります」

データに現れたユーザーの心をいかに正確に、素早く読み取るか。ゲームアプリの運用において、アプリ解析ツールは決して欠かすことのできない存在なのだ。

ゲームプレイユーザーの変化を追う
例えば、およそ2週の間で、DAU(Daily Active User:その日にゲームをプレイしているユーザーの数のこと)こそ大きな変化はないものの、ゲームの平均プレイ時間が短縮傾向にあるとする。この場合、ユーザー一人当たりのプレイ時間が減少していることから、ゲームそのものに飽き始めていることを読み取ることもできる。DAUだけ見ていては分からない傾向が、他の要素を組み合わせることで見えてくる

「コスト面のメリット」と「質の高さ」を併せ持つツール

グッドラックスリー社は数あるツールの中から、なぜYahoo! MOBILE INSIGHTを選択し、導入したのだろうか。前山氏のもと、日々データと向き合っている阿部真也氏と石井宏明氏は、そのメリットが“Yahoo! JAPANであること”と口を揃える。

株式会社グッドラックスリー マーケティング担当 阿部 真也 氏
株式会社グッドラックスリー
マーケティング担当 阿部 真也 氏
株式会社グッドラックスリー マーケティング担当 石井 宏明 氏
株式会社グッドラックスリー
マーケティング担当 石井 宏明 氏

「同様のツールもありますが、海外製が多いため言葉の問題が生じます。例えば、ツールにある各項目の意味やニュアンスを理解するのに時間がかかったり、ツール提供企業への問い合せでも、返答が届くまで時間がかかることが少なくありません。その点、国産ツールであるYahoo! MOBILE INSIGHTは言葉の問題もなく、安心して利用することができます」(阿部氏) 「UIの部分で迷うことがない、という点が大きいです。一般ユーザー向けのサービスを運営しているYahoo! JAPANのツールなので、細かな部分までよく考えられているなと感じます」(石井氏) さらに前山氏はコスト面でのメリットもあると話す。 「海外製ツールの場合、利用に費用がかかることが多いんです。それに比べYahoo! MOBILE INSIGHTは、機能に遜色がないにもかかわらず、無料で利用ができます(※2)。プロデューサーの立場からすると、この点は絶対に見逃せないポイントです」

Yahoo! MOBILE INSIGHTには、さらに「オーディエンス」という機能がある。 取得したユーザー属性や利用状況などをもとにセグメントを抽出でき、抽出したセグメントをプロモーションに活用できる機能だ。さらに今後は、Yahoo! JAPANが持つ多彩なデータやアセットを活用するなど、より高度な取り組みを目指していく。

グッドラックスリー社では現在、今春リリース予定のスマホ向けタワーオフェンスRPG「エアリアルレジェンズ」の事前登録を受付中だが、そこでもYahoo! MOBILE INSIGHTの活用を前提にしたゲーム開発と運用プランの構築を進めているという。 「『さわって!ぐでたま』シリーズのようなカジュアルゲームと「エアリアルレジェンズ」のようなRPGでは見るべきデータこそ違うのですが、これまでに得た知見を活かしつつ、Yahoo! MOBILE INSIGHTをガッチリと活用していきたいと思っています」 スマホアプリの運用にとって、ユーザーを理解することがいかに重要であるのか、ご理解いただけたのではないだろうか。そのポイントとなるのはいうまでもなく「データ」だ。無料で利用でき、使い勝手に定評のあるYahoo! MOBILE INSIGHTを、まず活用してみてはどうだろうか。

タワーオフェンスRPG「エアリアルレジェンズ」
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「エアリアルレジェンズ」公式サイト:http://aeriallegends-gl3.gl-inc.jp/

補足(※1)LTV顧客生涯価値。ユーザーが、ある会社の商品やサービスの利用を始めてから終わるまでの期間を通じて、どれだけの損益を与えたのかを累計して算出した指標のこと。既存の顧客との関係性を重視したマーケティング戦略を考える際にしばしば使われる。

(※2)Yahoo! MOBILE INSIGHTには、メディアごとの広告効果を測定する「トラッキング」機能と、ユーザーの属性や行動を把握ができる「アナリティクス」機能を無料で利用できる「オープンプラン」が用意されている。さらに踏み込んだ分析ができる有償の「オーディエンス」機能を付加することもできるが、オープンプランでも広範囲かつ詳細なデータ活用が可能になる。料金に関する詳細は、Yahoo! MOBILE INSIGHTのページに説明がある。